ヒートショックとは

ヒートショックとは温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動する等によって起こる健康被害ととらえ
る事ができます。失神したり、心筋梗塞や不整脈、脳梗塞を起こす事があり、特に冬場に多く見られます。
また、高齢者に多いのが特徴です。

入浴時は特に注意

ヒートショックは体全体が露出する入浴時に多く発生します。
住宅内においても暖房をしていない脱衣室や浴室では、室温が10 度以下になることも珍しくはありません。
寒い脱衣室で衣服を脱ぐと、急激に体表面全体の温度が10 度程度下がります。
すると私たちの体は寒冷刺激によって血圧が急激に上がります。この血圧の急上昇が、心筋梗塞、脳卒中を起こす原因の
一つと言われています。
さらに、一度急上昇した血圧は、浴槽の暖かい湯につかることによる血管の拡張で、反対に急激に低下してしまいます。
この急激な血圧低下が失神を起こす原因の一つとなります。
浴槽内で失神する事により、溺れて亡くなるケースは入浴中急死の典型例と言えます。

このように冬場の入浴に伴う一連の行為は、血圧をジェットコースターのように大きく変動させる要因となり、
ヒートショックの危険を伴います。
外気温が低くなる1 月は、入浴中に心肺機能停止となる人が、最も少ない8 月のおよそ11 倍であり(※1)
このように増加する原因は、ヒートショックによるものといえます。

ヒートショックを防ぐには

寒い季節、脱衣所や浴室を温かくすることで、ヒートショックは予防できます。
また、トイレも体を露出させる場所なので温かく保つことが重要です。

・脱衣所や浴室、トイレへの暖房器具設置や断熱改修
冷え込みやすい脱衣所や浴室、トイレを暖房器具で温めることは、効果的なヒートショック対策の一つです。
(浴室で暖房器具を使用する場合は浴室専用の暖房器具を使用するなど注意が必要)
また併せて、窓まわりは熱が逃げやすい為、内窓を設置するなどの断熱改修で、外気温の影響を最少限に抑えることも重要です。
浴室をユニットバスへ改修することでも断熱性は向上します。

※出展:地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター 「冬場の住居内の温度管理と健康について」